Q.首回りの痺れから、肩こり、腕の痺れがここ数年の悩みです。背中の筋肉もいつも固まっている感じです。仕事はデスクワークで、パソコンにほとんど向かっています。以前は筋トレやゴルフもしていたのですが、すっかりやめてしまいました。ただ、運動しないとこの凝り固まった感じや痺れは、改善しないと実感しています。マッサージ等も何ヵ所も試しましたが、その時は一時的によくなりますが、また、すぐに元の状態に戻ってしまいます。簡単にできる運動で、この状況から少しでも脱することはできないものでしょうか。
A.内容から具体的な年齢、性別はわかりませんが、加齢や、間違った運動方法や運動不足が推察されます。筋肉は動かすことで血行を促進し、筋肉自身の強ばりを改善します。
問題は、使わない関節や筋肉は、動かなくなったり、動きが悪くなってしまうということです。例えば、骨折などでギブス固定をした身体部位は、その後、怪我が治り、ギブスを外すと、初めは全く動かないという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。動かさないと固まってしまう。この点を踏まえて、質問者の状況を考えてみると、胸を張ること=肩甲骨を寄せること。日常生活ではこの動きが非常に劣化しやすく、肩こりなどの原因になっているケースが多いです。デスクワークで長時間、胸を張らない状態が続くとなおさらです。

ぜひ、ときどき胸を張りましょう。一つ、よい方法を提案します。あばら骨を胸に向かい、なぞっていくと、左右の中心部にボコッと骨が出ています。これが、剣状突起(けんじょうとっき)と呼ばれる部位です。直立不動の姿勢をとり、この剣状突起をやや上方に突き出します。同時に肩をすくめないように肩甲骨を寄せて胸を張ります。剣状突起の突き出しは、ほんの数cmだと思いますが、これも「ひとつの関節の動き」と解釈します。この動きを眠らせないでほしいのです。これが固まってしまうと背中が丸くなり、肩が前に落ち、運動に支障をきたし、老化が進んでしまいます。
鉄棒を使った斜め懸垂など、無理のない引く運動と、剣状突起を突き、胸を張る動作を近所の公園などを有効活用して、実施してみてください。筋肉や関節を動かすことは、血行を促進し、痺れや強ばりの予防・改善が大いに期待できます。頑張らない範囲の取り組みで、継続性を大切にしてください。好転していけば、また、新たなプログラムを考えていけばよいでしょう。
